非心t分布(ひしんティーぶんぷ、英: noncentric t-distribution)とは、確率分布と統計学におけるスチューデントのt分布を一般化したものである。
非心な統計母数、例えば「X の上位10パーセント値」のようなものの信頼区間を標本データだけに基いて計算するのに有用である。
非心t分布の特徴
Z は分散 1、平均 0 の正規分布 に従う確率変数 、V は自由度 νのカイ二乗分布に従いかつ、Z と独立な確率変数、μは実定数としたときに、
が従う分布のことを「自由度ν、非心パラメーターμの非心t分布」と呼ぶ。μ=0の場合はt分布そのものである。この非心t分布においては(非心F分布等の他の多くの非心分布とは異なり)非心パラメータμは負の値であってもよい。
累積分布関数
この非心t分布の累積分布関数は、以下の式で与えられる。
ここで、
- は、正則化された不完全ベータ関数,
であり、Φ は標準正規分布の累積分布関数である。
他の表現として、以下の書き方もできる。
ここで、Γ は ガンマ関数 、I は、正則化された不完全ベータ関数である。
確率密度関数
この非心t分布の確率密度関数は
-
ここで ν > 0 である。この確率密度関数の定義域は実数である。
非心t分布の平均および分散は
特別の場合
もしも μ = 0 の場合、非心t分布はt分布になる。
関連する分布
- もしも T が非心t分布にしたがう場合、Z = T2 とおくと Z は非心F分布にしたがう。
- T が非心t分布にしたがう場合、 とおくと、Z は正規分布にしたがう。
関連事項
出典
外部リンク
- Eric W. Weisstein. "Noncentral Student's t-Distribution." From MathWorld--A Wolfram Web Resource
翻訳元
本記事は英語版ウィキペディア記事
- Noncentral chi-square_distribution. [:en] Wikipedia: Free Encyclopedia (English language), 14:14, 21 July 2007
からの抄訳に基づいて作成された。




