メアリー・キャスリン・ライト(Mary Kathryn "Mickey" Wright、1935年2月14日 - 2020年2月17日)はアメリカ合衆国の元女子プロゴルファー。1955年に全米女子プロゴルフ協会(LPGA)のツアーメンバーとなり、通算82勝(うち13勝はメジャー大会での勝利)を挙げた。1976年に世界ゴルフ殿堂入り。

経歴

カリフォルニア州サンディエゴ出身。1952年の全米女子ジュニア大会でアマチュア初優勝。ハーバートフーバー高校を卒業後スタンフォード大学に進学したがわずか1年で退学。1954年の全米女子アマチュアでは決勝で敗れたが、同年の世界アマチュア選手権で優勝し、直後にプロ入りした。

1955年からLPGAのツアーメンバー登録。引退まで82勝を挙げたが、これはキャシー・ウィットワースの88勝に次ぐ二番目の記録である。またメジャー大会での13勝はパティー・バーグの15勝に次ぐ記録となっている。1961年から1964年まで4年連続で LPGA 賞金女王。また13回にわたり賞金ランキングトップ10入りを果たす。さらに14年連続で1年あたり最低でも1勝している。

1964年に第1回が行われたトールシティーオープンで、ライトは3日目と4日目の二日にわたりいずれも62で回り、これは当時の LPGA の最少スコア記録となった。ちなみに開催コース(テキサス州ミッドランドのホーガンパークゴルフ場)の男子の最少スコア記録は66だった。これは最終日に10打差を逆転してのものであり、LPGA のタイ記録となっている。

師匠はハリー・プレスラー。またベン・ホーガンは、これまで目にした中で最良のスイングであると評した。このことから「女性版ベン・ホーガン」の異名を持つ。

1969年にフルタイムでゴルフをプレーすることから引退した。足にトラブルを抱えていたとされるが、その後も時折はツアー競技への参加を続けた。彼女は1958年から1966年にかけてメジャー大会に13勝したが、4つあるメジャータイトルの全部をある時点で保有していたことのある唯一の LPGA プレーヤーである。晩年はフロリダ州のポートセントルーシーに一人で住んでいた。1990年代後半に同じフロリダ州デイトナビーチで行われたタイトルホルダーズという大会に出場したのが最後だったが、練習場を歩いているほとんどすべてのプレーヤーが立ち止まって彼女のスイングに見入っていたという。彼女は乳がん復帰者でもある。

2000年に『ゴルフダイジェスト』の”greatest golfer” では女子選手として最高の9位にランクされ、また2009年にゴルフマガジン誌が行った同様の特集でも8位で、女子ではトップだった。

2020年2月17日、心臓発作のためフロリダ州内の病院で逝去。85歳没。

優勝歴

アマチュア

  • 1952 全米女子ジュニア
  • 1954 世界アマチュア選手権

(アマチュア時代の優勝歴は特筆すべきもののみ)

プロ入り後(90勝)

LPGAツアー(82勝)

太字は公式戦での優勝。

  • 1956 (1勝) ジャクソンビルオープン
  • 1957 (3勝) シーアイランドオープン 、 ジャクソンビルオープン 、 ウルヴァリンオープン
  • 1958 (5勝) シーアイランドオープン 、 LPGA選手権全米女子オープン 、 オピーターナーオープン 、 ダラスオープン
  • 1959 (4勝) ジャクソンビルオープン 、 キャバリアオープン 、 全米女子オープン 、 アライアンスマシンインターナショナルオープン
  • 1960 (6勝) シーアイランドオープン 、 タンパオープン 、 LPGA選手権 、 グロッシンガーオープン 、 イースタンオープン 、 メンフィスオープン
  • 1961 (10勝) セントピーターズバーグ・オープン、マイアミオープン、タイトルホルダー選手権、コロンバスオープン、全米女子オープン、ウォータールーオープン、スポケーン女子オープン、サクラメントバレーオープン、ミッキーライトインビテーショナル、LPGA選手権
  • 1962 (10勝) Sea Island Women's Invitational 、 タイトルホルダー選手権女子ウェスタンオープン 、ミルウォーキオープン、ハートオブアメリカインビテーショナル 、 アルバカーキスイングパレード 、 ソルトレイクシティオープン 、 スポケーンオープン 、 ミッキーライトインビテーショナル 、カールスバッドキャバーンオープン
  • 1963 (13勝) シーアイランド女子インビテーショナル、セントピーターズバーグ女子オープン、Aアルパインシビタンオープンムスコギーシビタンオープンダラスシビタンオープン、 ベーブザハリアスオープン、女子ウェスタンオープン、ウォータールー女子オープンインビテーショナル、アルバカーキスイングパレード、アイダホセンテニアルレディースオープン、ヴァイセーリアレディースオープン、ミッキーライトインビテーショナル、LPGA選手権
  • 1964 (11勝) ピーチ・ブロッサム・インビテーショナル、クリフォードアンクリークインビテーショナル、スクワートレディースオープンインビテーショナル、ムスコギーシビタンオープン、レディーカーリングイースタンオープン、ウォルデマールオープン、全米女子オープン、ミルウォーキージェイシーオープン、ビサリア女子オープン、トールシティーオープン、メアリーミルズミシシッピガルフコーストインビテーショナル
  • 1965 (2勝) バトンルージュ・インビテーショナル、ダラスシビタンオープン
  • 1966 (7勝) ヴェネツィアレディースオープン 、 シュリーブポートキワニスインビテーショナル 、ブルーグラス・レディース・インビテーショナル、 女子ウェスタンオープン 、 パシフィックレディースクラシック 、 シャーリーイングルホーンインビテーショナル 、 ミッキーライトインビテーショナル
  • 1967 (4勝) シュリーブポートキワニスクラブインビテーショナル、ブルーグラス・インビテーショナル、レディ・カーリング・オープン、ペンサコーラレディースインビテーショナル
  • 1968 (4勝) ポートマラバルインビテーショナル 、 パームビーチカウンティオープン 、 トールシティオープン 、 500レディースクラシック
  • 1969 (1勝) ブルーグラス・インビテーショナル
  • 1973 (1勝) コルゲート-ダイナショアウィナーズサークル
注:メジャーチャンピオンシップになる前に、コルゲートダイナショアウィナーズサークル(現在はシェブロン選手権の名称で開催)を獲得。

その他(8勝)

  • 1959年 フージャーセレブリティ
  • 1961年 ハイグ&ハイグスコッチフォーサム ( デイブレイガンと )
  • 1962年 ナポリプロアム ( マリリン・スミスと )
  • 1963年 ハイグ&ハイグスコッチフォーサム ( デイブラガンと )、 シェルズ ワンダフルワールドオブゴルフ
  • 1966年 レディースワールドシリーズオブゴルフ、 シェルズワンダフルワールドオブゴルフ
  • 1967年 セブンレイクスインビテーショナル

メジャー大会タイトル(13勝)

1 18ホールのプレーオフ、ライト69、ジェッセン72
2 ライトはサドンデスのプレーオフの4番ホールで勝利。
3 18ホールのプレーオフ、ライト70、ジェッセン72。

関連項目

  • LPGAメジャーチャンピオンシップで最も多く優勝したゴルファーのリスト
  • LPGAツアーで最も勝ったゴルファーのリスト
  • 女子キャリアグランドスラムチャンピオン

脚注

注釈

出典

外部リンク

  • ミッキー・ライト - 全米女子プロゴルフ協会のプロフィール (英語)
  • about.comのミッキーライトバイオ

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